Evil Revenger 復讐の女魔導士 ─兄妹はすれ違い、憎み合い、やがて殺し合う─
「やだ、私も付いてく! この先の街だって、いつ戦火が及ぶかわかんないし、ヴィレントが守ってくれなきゃ、安心できない!」
シルフィが兄に腕を絡めながら、唇を尖らせた。
この人のこういうところが、私は嫌だった。
兄の方も、それを怒鳴るでも振りほどくでもなく、ただ迷惑そうにため息をつくだけだった。
私が口答えした時は、殴り飛ばしてたくせに……
私は2人から目をそらした。
「ヴィレント殿、時間が惜しい。すぐにでも出発したいのだが」
ヴェイズが急かした。
兄は軽く舌打ちすると、シルフィに向かって、
「わかった、好きにしろ。危なくなっても知らないからな」
「平気よ。ヴィレントが守ってくれるでしょ?」
兄は再度大きなため息をつくと、諦めて歩き出した。
「すまん、ヴィレント。本当にヤバくなったら、俺がシルフィを街まで引っ張っていくから」
「えー、スキルドは来なくていいのに」
私もスキルドに手を引かれて歩き出す。
私達は結局6人全員で、ベスフルの砦に向けて出発した。
この出会いが、私達の運命を大きく動かしたことを、この時はまだ誰も知らなかった。
シルフィが兄に腕を絡めながら、唇を尖らせた。
この人のこういうところが、私は嫌だった。
兄の方も、それを怒鳴るでも振りほどくでもなく、ただ迷惑そうにため息をつくだけだった。
私が口答えした時は、殴り飛ばしてたくせに……
私は2人から目をそらした。
「ヴィレント殿、時間が惜しい。すぐにでも出発したいのだが」
ヴェイズが急かした。
兄は軽く舌打ちすると、シルフィに向かって、
「わかった、好きにしろ。危なくなっても知らないからな」
「平気よ。ヴィレントが守ってくれるでしょ?」
兄は再度大きなため息をつくと、諦めて歩き出した。
「すまん、ヴィレント。本当にヤバくなったら、俺がシルフィを街まで引っ張っていくから」
「えー、スキルドは来なくていいのに」
私もスキルドに手を引かれて歩き出す。
私達は結局6人全員で、ベスフルの砦に向けて出発した。
この出会いが、私達の運命を大きく動かしたことを、この時はまだ誰も知らなかった。