身代わり少女は主人を慕う
いけないと思いつつ、そーっと引き出しを開けると、そこには白粉と紅が入っていた。

「うわー……これが噂に聞く、白粉か。」

興味本位で手を伸ばそうとしたら、障子が開いた。


「おはようございます。」

そこには、朝食を持った亮成さんが座っていた。

「お、おはようございます。」

見られたかな。

ちょっとドキドキしながら、部屋の中央にやってきた。

「朝食を持って参りました。」

「はい。」

見ると白いご飯にお味噌汁、おかずに魚まであった。

私は思わず、ゴクンと唾を飲んだ。

「どうぞ、召し上がり下さい。」

「頂きます!」

私は安心したのか、お腹が減っていて、しかも白い飯にありつけるってだけで、ものすごい勢いで食事をかき込んだ。

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