身代わり少女は主人を慕う
「美味しいですか?」

「はい!美味しいです!」

一切の休みもなく、箸を動かしていたから、全部食べ終わった頃には、亮成さんも茫然としていた。

「ご馳走様でした!」

「すごい食欲ですね。」

「はははっ!何せ、白い飯食うのは、人生で2度目ですから。」

もうこうなりゃ、笑うしかなかった。

「食欲旺盛なのは、何よりです。」

私の食べ終わった食器を、脇に下げ、亮成さんは真っ直ぐ私を見た。

「もう少しで、将吾様がいらっしゃると思いますので、今しばらくお待ちくださいませ。」

「は、はい。」

そう言うと亮成さんは、食器を持って、部屋を出て行ってしまった。

シーンと静まる部屋の中。

落ち着け、私。

もう家族もいないんだから、この家にご厄介になるしかないんだから。
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