身代わり少女は主人を慕う
何を言われても、二つ返事で受けなきゃいけないんだから。

私は、両手をぎゅっと握った。

すると障子の外から、”失礼するよ”と言う声がした。

障子が開くと、将吾さんと亮成さんが、部屋の中に入って来た。


将吾さんは、私の目の前に座ると、ニコッと笑った。

「食事は、口に合ったようだね。」

「はい!とても、美味しかったです!」

「よかった。これから話す事、気を楽にして聞いてほしい。」

「はい。」

そう言われても、緊張する。

大体、そのお嬢様は、今は一体どこにいるのだろう。


「これからの事なんだが、まずはこの部屋から、なるべく出ないでほしいんだ。」

そ、それって……軽い監禁!?

「第一に、行方不明になっている妹が、いるのではないかと、周りに思わせる為だ。」
< 25 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop