星降る夜の奇跡をあなたと
じぶんぎ流星群
翌日、蓮は昨日の事には
触れることなくいつもと変わらずに
接してくれた。気恥かしさを
感じていた私にとっては有り難かった。
今日は“じぶんぎ流星群”が観測
出来る日だ。“ふたご座流星群”が
観測出来る時間帯とは全く違うが、
それでも試す価値はある。
それに2月、3月は目立った流星群の
活動がないのだ。次は4月の下旬。
もし今回が駄目だったら次に
チャレンジ出来るのは
2ヶ月以上も先になる。
私達はもうすぐ夜が明けるという頃、
One Treeへ向かった。辺りは、暗く
静寂に包まれていた。
「ここに来るといつも頑張ろうって
思ってたんだ。こんな広い場所に
たった一本。ブレない意思を表して
いる様に真っ直ぐ上に伸びてる。
自分もそうで有りたいって」
「俺もそう思った。地元から
逃げて来たのに、この木見て
自分の小ささを痛感した。あっ!」
その時、星が流れた。途端!
私の身体が温かくなっていくのを
感じ、淡く光出した
“和奏、和奏!!”
蓮が叫んでいるのが聞こえるが、
声が出せない。そこで私の意識は
途絶えた。
次に気が付いた時、One Treeの下で
私は蓮に抱き抱えられていた。
「和奏、気付いた?具合悪いとかない?
ホントびっくりした。和奏の身体が
光ったと思ったら、目も開けないし
返事もしなくなって。消えちゃうかと
思った」
「心配掛けちゃったね。
身体は何ともないよ。少しだけ
ふわふわしてる位」
「それなら良かった。
本当に良かった」
蓮は頭や頬を、私の存在を
確かめるかの様に撫でながら言った。
「蓮が傍に居てくれたお陰だね。
ありがとう」
「俺、未来から来たんだって聞いて
いても、やっぱりその現象自体、
信じきれてない自分がいて。
さっきの見て、これは現実なんだって
思い知らされた」
「そうだね。現実だからここに
居るんだよね。
現実だから蓮とも一緒にいられる」
「そーだった。和奏は強いな」
「1人じゃないから。蓮が教えて
くれたでしょ?
とか言って蓮の前では
情けない姿いっぱいみせちゃってる
けどね」
蓮は笑顔で抱きしめてくれ、
私も蓮の背中に手を回した。
One Treeから家までの道、
私達は手を繋いで歩いた。
“和奏が居なくなる、急に消えるって
知ったらすごく怖くなった”
ポツリと蓮が呟いた。
私は蓮を安心させてあげる事も
出来なければ、
居なくならない、消えないって
ハッキリ言えない事も、
悔しくてたまらなかった。
だからせめて、今はちゃんと
蓮の隣に居るということを
表すかのように強く手を握り返した。
触れることなくいつもと変わらずに
接してくれた。気恥かしさを
感じていた私にとっては有り難かった。
今日は“じぶんぎ流星群”が観測
出来る日だ。“ふたご座流星群”が
観測出来る時間帯とは全く違うが、
それでも試す価値はある。
それに2月、3月は目立った流星群の
活動がないのだ。次は4月の下旬。
もし今回が駄目だったら次に
チャレンジ出来るのは
2ヶ月以上も先になる。
私達はもうすぐ夜が明けるという頃、
One Treeへ向かった。辺りは、暗く
静寂に包まれていた。
「ここに来るといつも頑張ろうって
思ってたんだ。こんな広い場所に
たった一本。ブレない意思を表して
いる様に真っ直ぐ上に伸びてる。
自分もそうで有りたいって」
「俺もそう思った。地元から
逃げて来たのに、この木見て
自分の小ささを痛感した。あっ!」
その時、星が流れた。途端!
私の身体が温かくなっていくのを
感じ、淡く光出した
“和奏、和奏!!”
蓮が叫んでいるのが聞こえるが、
声が出せない。そこで私の意識は
途絶えた。
次に気が付いた時、One Treeの下で
私は蓮に抱き抱えられていた。
「和奏、気付いた?具合悪いとかない?
ホントびっくりした。和奏の身体が
光ったと思ったら、目も開けないし
返事もしなくなって。消えちゃうかと
思った」
「心配掛けちゃったね。
身体は何ともないよ。少しだけ
ふわふわしてる位」
「それなら良かった。
本当に良かった」
蓮は頭や頬を、私の存在を
確かめるかの様に撫でながら言った。
「蓮が傍に居てくれたお陰だね。
ありがとう」
「俺、未来から来たんだって聞いて
いても、やっぱりその現象自体、
信じきれてない自分がいて。
さっきの見て、これは現実なんだって
思い知らされた」
「そうだね。現実だからここに
居るんだよね。
現実だから蓮とも一緒にいられる」
「そーだった。和奏は強いな」
「1人じゃないから。蓮が教えて
くれたでしょ?
とか言って蓮の前では
情けない姿いっぱいみせちゃってる
けどね」
蓮は笑顔で抱きしめてくれ、
私も蓮の背中に手を回した。
One Treeから家までの道、
私達は手を繋いで歩いた。
“和奏が居なくなる、急に消えるって
知ったらすごく怖くなった”
ポツリと蓮が呟いた。
私は蓮を安心させてあげる事も
出来なければ、
居なくならない、消えないって
ハッキリ言えない事も、
悔しくてたまらなかった。
だからせめて、今はちゃんと
蓮の隣に居るということを
表すかのように強く手を握り返した。