星降る夜の奇跡をあなたと

結ばれる時

「和奏。最近、心ここにあらず
 だったよね?」

何でもお見通しだ。
蓮の温もりを感じたくて、抱きついた。

「また一緒に来たい…
 ずっと一緒にいたい…」

こんな事を言ったて困らせるだけ。
終わりかもしれない日が近付くに
連れて、自分の欲が増していた。
蓮は明らかに私を思ってくれている。
大切にしてくれている。
それでも、私が戻ってしまったら
再会出来るかもしれないのは4年後だ。
4年もの間、蓮を縛り付けておくことに
なる。あまりにも長すぎる年月だ。

「俺もずっと一緒にいたい。
 だからこそ、未来の俺は和奏に
 近付いたんでしょ?
 中途半端に手まで出して」

クスっと笑った気がした。
顔を上げると蓮の柔らかな笑顔。
言ってもいいのかな?
欲深くなってもいいの?

「それとも、和奏が戻ったら、
 俺は誰か知らない人を代わりに
 したほうがいいの?」

「いやっ!」

そんなの絶対に嫌に決まってる。
耐えられない。

「だったら!
 和奏、ちゃんと言って。待ってろって。
 20年の中でも俺の葛藤に気付く人
 なんて和奏しか居なかった。
 それがたかが4年で
 現れるなんて到底思えない。
 和奏以上の人なんて居ない。
 和奏が俺を忘れずに居てくれたら、
 そしたら4年なんて耐えられる」

蓮の覚悟が見えた気がした。
私は戻ればきっと4年後のはずだ。
蓮の時間に比べたら、私なんて
何ということもないはずだ。
私自身も蓮を4年も待たせてしまう
という覚悟を決めなければ。

「4年後、必ず蓮の隣に立つ。
 約束するから、待っていて欲しい。
 絶対余所見なんてしないで」

その日私達は初めて結ばれた。
この状況下で、
そうなるべきでは無かったかも
しれない。本当にお互いのこの先を
縛り付ける行為だったのかもしれない。
それでも求めずにはいられなかった。
私達はお互いの肌に触れ合い、
幸せと安堵に包まれた夜を過ごした。
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