星降る夜の奇跡をあなたと

お金を貯めます!

旅行から戻った日から、
蓮のベットで一緒に寝る様になった。
いつもの布団で寝ようとすると
“和奏こっち。枕だけ持ってきて”と。
サラッと言う蓮に一瞬何を言われたのか
分からなかった。
蓮曰く“和奏は一人で寝てるとウダウダ
考え込むでしょ。それによくよく考えたら
俺って年下なんだよね。遠慮は
良くないなと思って。これくらい
甘えてもいいよね”と…。
別に一緒に寝ているからと言って、
毎日そういうことを致している
訳ではなく、
お互いの存在を確かめるかの様に
寄り添って寝るというのか。
確かに安心出来る。安心出来るのだが、
あの日以降、蓮の色気が増したと
思うのは私だけだろうか。

旅行の代金は結局、蓮が全て支払って
くれた。私もこの為にお仕事を頑張って
きた訳だし、払うと言ったが、
家事も殆どやって貰ってるし、ささやかな
お礼なんだとか。全然ささやか
ではないけれど、ここは甘える事にした。
素直に引き下がったのは、その分を
ちょっぴり早いクリスマスプレゼントに
あてようと思ったからだ。プレゼントは
もう決めていた。誕生日のヒントを
探していた時に見つけていたのだ。
いつ渡すかは追々考えるにして、
買っておきたかった。
それからもう一つ。
4年後に再会出来た時に、またあの場所に
旅行に行きたいと思っていた。
“4年なんて耐えられる”と言った蓮の言葉は
私を強くし、蓮と共に歩く未来を
しっかり思い浮かべられる様になった。
だからなるべく未来の旅行費用を
貯めようと、11月下旬から始まった
蓮の実習に合わせて、私は図書館通いを
辞めたのだった。
< 31 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop