星降る夜の奇跡をあなたと
再びふたご座流星群
12月14日。とうとうこの日がやってきた。
蓮は朝から夕方まで実習だ。
朝は見送り、帰りを待つ。
たった数時間なのに寂しいと
感じでしまう。
本当だったらいつもと変わらない
日常だ。ただ一つ違う事は、私が今日で
居なくなるであろう事。
でもこれは別れじゃない。
そう何度も言い聞かせた。
この1年で沢山の思い出が出来た。
その思い出を振り返りながら、私は
荷物をまとめ、部屋を片付けた。
結局、旅行の為にと貯めたお金は、
蓮には渡せていなかった。多分、
直接渡しても受け取らないだろうと
思い、手紙に添えて置いておく事にした。
私が見ている前では開けて欲しくなく、 色々考えた結果、冷蔵庫の中にした。
おかしな考えだとは思ったが、
リビングにしても、玄関にしても、寝室
にしても先に気付かれる可能性が
高いのだ。冷蔵庫なら、私がいるうちは
開ける頻度が少ないだろう。
私は冷蔵庫を開けて、すぐ目に付く場所に
貼り付けた。
少しだが、作り置きも用意した。
蓮は夕方過ぎに帰ってきて、
いつも通りの行動に何だか安心した。
“いつもと変わらないんだよ”
と言われている様であった。
One Treeへ行くのに、私は来たときと
同じ持ち物、同じ洋服にした。
でも首には蓮がくれたネックレス。
これを向こうに持っていけるかなんて、
分からない。それでも身につけたかった。
蓮はその上から、あのマフラーを
巻いてくれた。
無言で手を繋ぎ、One Treeへの道を
歩いた。久しぶりのOne Treeは
真っ暗な中でも堂々たる姿で、自分も
この木のように強くありたいと
思った事を思い出した。
One Treeを見上げていると
蓮が口を開いた。
「今日が終わりじゃない。
始まりなんだ。必ず4年後のこの時間に
迎えに行く。だから安心して」
蓮の言葉に涙が溢れる。
絶対、蓮だって不安な筈だ。
それでも私の事を気遣ってくれる
優しさが嬉しくて仕方がない。
「…っっ蓮の事…っっ絶対に…忘れない…
…大好き……
…だから…ぅぅ蓮も…
安心して迎えに来て欲しいっっ…」
溢れる涙で上手く言葉が出せない中、
伝える。
蓮が私の頬を押さえ、涙を拭いながら
微笑む
「うん。絶対。和奏、大好きだよ」
私達は星空の下、抱き合いキスをした…
その時、今までにない大きさの
輝きを放った流星が一筋の線を
描く様に流れた。時間を空けずして、
放射点から幾つもの星が流れ始める。
“あの時と同じだ”私は蓮を抱き締めて
いた手を強めた。自身の身体が
輝き出し、その光で蓮の顔を見る事が
出来ない。必死で蓮の温もりを
追い求めた。声を上げることも出来ず、
徐々に意識が遠ざかっていく
感覚がある中、何度も何度も心の中で
蓮の名前を呼んだ。
何度も何度も…
蓮は朝から夕方まで実習だ。
朝は見送り、帰りを待つ。
たった数時間なのに寂しいと
感じでしまう。
本当だったらいつもと変わらない
日常だ。ただ一つ違う事は、私が今日で
居なくなるであろう事。
でもこれは別れじゃない。
そう何度も言い聞かせた。
この1年で沢山の思い出が出来た。
その思い出を振り返りながら、私は
荷物をまとめ、部屋を片付けた。
結局、旅行の為にと貯めたお金は、
蓮には渡せていなかった。多分、
直接渡しても受け取らないだろうと
思い、手紙に添えて置いておく事にした。
私が見ている前では開けて欲しくなく、 色々考えた結果、冷蔵庫の中にした。
おかしな考えだとは思ったが、
リビングにしても、玄関にしても、寝室
にしても先に気付かれる可能性が
高いのだ。冷蔵庫なら、私がいるうちは
開ける頻度が少ないだろう。
私は冷蔵庫を開けて、すぐ目に付く場所に
貼り付けた。
少しだが、作り置きも用意した。
蓮は夕方過ぎに帰ってきて、
いつも通りの行動に何だか安心した。
“いつもと変わらないんだよ”
と言われている様であった。
One Treeへ行くのに、私は来たときと
同じ持ち物、同じ洋服にした。
でも首には蓮がくれたネックレス。
これを向こうに持っていけるかなんて、
分からない。それでも身につけたかった。
蓮はその上から、あのマフラーを
巻いてくれた。
無言で手を繋ぎ、One Treeへの道を
歩いた。久しぶりのOne Treeは
真っ暗な中でも堂々たる姿で、自分も
この木のように強くありたいと
思った事を思い出した。
One Treeを見上げていると
蓮が口を開いた。
「今日が終わりじゃない。
始まりなんだ。必ず4年後のこの時間に
迎えに行く。だから安心して」
蓮の言葉に涙が溢れる。
絶対、蓮だって不安な筈だ。
それでも私の事を気遣ってくれる
優しさが嬉しくて仕方がない。
「…っっ蓮の事…っっ絶対に…忘れない…
…大好き……
…だから…ぅぅ蓮も…
安心して迎えに来て欲しいっっ…」
溢れる涙で上手く言葉が出せない中、
伝える。
蓮が私の頬を押さえ、涙を拭いながら
微笑む
「うん。絶対。和奏、大好きだよ」
私達は星空の下、抱き合いキスをした…
その時、今までにない大きさの
輝きを放った流星が一筋の線を
描く様に流れた。時間を空けずして、
放射点から幾つもの星が流れ始める。
“あの時と同じだ”私は蓮を抱き締めて
いた手を強めた。自身の身体が
輝き出し、その光で蓮の顔を見る事が
出来ない。必死で蓮の温もりを
追い求めた。声を上げることも出来ず、
徐々に意識が遠ざかっていく
感覚がある中、何度も何度も心の中で
蓮の名前を呼んだ。
何度も何度も…