星降る夜の奇跡をあなたと

タイムスリップ!?


どーする!?どーする!? 
とりあえず色々ゆっくり考えたいが
それどころではない。
5年前だと私は15歳。まだ地元にいる。
ということはここに家がない。
元の場所には戻れるのか!?
戻れるまではどうしたらいい?
自分の顔が青ざめていくのを感じる。

「おいっ!本当に大丈夫か!?
 質問してきたかと思ったら急に
 黙り混んで」

声を掛けられハッとする。
今、この状況で頼れるのは、
遠藤さんしかいない。

「私には今現在、頼れる人がいません。
 無理を承知でお願いします。
 私を遠藤さんの家に置いて
 頂けませんか?」

「はっ!?何言ってるの!?
 素性も知らない人なんて、
 連れて帰れる訳ないでしょ」

ですよね。でも私もここで
引き下がれない。

「安西 和奏です。安心の安に西で安西、
 和を奏でるで和奏。20歳です。
 もうすぐ21になります」

「いやいや、そういう事じゃないから。
 っていうか俺ら、今会ったばかり
 だよね?」

「現状そういう事になるとなると
 思いますが、若干違う感じもします」

「はっ!?」

これは何処まで言って言いのだろう。
言ったことで未来に何か影響とか
ないのだろうか?でもそんな事
言ってられない。とりあえず
考える場所が欲しい。寝床も
出来れば確保したい。

「私は遠藤さんを少しですが、
 知っています。名前と学校、学科。
 でもそれ、さっき自分でも
 言っちゃいましたもんね。
 でもあと1つ」

これは賭けだ。未来で会った時に
確信した“kanade”の存在。
そしてこの場所。

「One Tree」

「……何でそれを…?」

私の言葉を聞いて、そこには
遠藤さんの驚きを隠せていない
顔があった。

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