拗らせLOVERS
碧斗が部活を引退してからは帰りも一緒に帰る事が増えた

最初の頃は『付き合っているのか』とか噂になったりしたけど

今じゃ『ただの幼馴染』とみんなに理解されている

それを喜ぶべきか否か

否!だろ!! 


だって、あたしは碧斗の彼女になりたいんだよ!

特別な存在になりたいんだよ!


言えないけど


「明日、卒業式か…」

碧斗がつぶやいた

「やっぱり、みんなと離れるの寂しいな」

「そうだね」

「まあ、陽和とは又一緒だけどな」

「碧斗だったら、もっとランク上の学校行けたのに」


「早起きして電車とかバスとか乗って通うとか絶対嫌だね!東高は歩いて行けるし、サッカー部わりと強いしな」

「そんな理由で決めたんだ」

「何で?充分な理由だろ?それとも陽和と同じ高校行きたかったとか言って欲しい訳?」

「ち、違うし!」
私は真っ赤な顔で否定した


「また、碧斗と一緒かと思うと本当うんざりだし!」


「それはこっちのセリフ、もう朝迎えに行かねえから」

「え?嘘!最初は一緒に行こうよ!」

「高校に行ってまでお前の面倒みんの勘弁だし」

「えー!学校に慣れるまで一緒に行こうよ!
なんかいろいろ不安だし、碧斗だって人見知りじゃん!あたしが一緒の方が気が楽だと思うよ」

「…確かに、慣れるまでは一緒の方がいいか」

「そうだよ、そうだよ、そうしよう!
あ、でもまた私達付き合ってるって噂になるかも…それはちょっとまずいよね」

「大丈夫、すぐに『ただの幼馴染』って理解するよ」

それ、今言うか
本当にそうだから余計に傷つくわ!

みんながそう思ってても
碧斗には
碧斗だけには特別な女の子だって思われたかったなあ

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