拗らせLOVERS
「どうした?」

碧斗が私の顔を覗きこんだ


「あっ、いや、別に…」


「やっぱ、明日で卒業ってなると元気なくなるか」


「うん…まあ、そうだね…それに…」


「?」

「明日、碧斗の制服のボタンきれいになくなりそうだなあって思って…」
私は苦笑いを浮かべた


「陽和も欲しい?」


「い、いらないよ!」

本当は欲しい!
それも第2ボタン!


「じゃあ、やんね」

え?!

「やっぱ、欲しい!」

碧斗がちょっと驚いてこちらを見た


「もらって、売り飛ばす!」


「アホか!」
碧斗がケラケラ笑った


「余ったらやるよ」


「うん」


余るわけないじゃん
あんたモテるんだから


ああ神様、碧斗のボタンが余りますように!

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