拗らせLOVERS
バレンタインから2日後

碧斗が隣のクラスの美桜ちゃんと付き合っているとクラス中に噂が流れた


「う、嘘…」

私の目の前が一瞬、真っ暗になった

碧斗は何も無かったかのように教室に入って来た


「碧斗!」


私は思わず駆け寄ったものの


き、聞けないよ~!

本当に付き合ってたらあたし

あたし…


「何?」
碧斗が私を冷たい眼差しでチラリと見た

「あの…えっと…」

き、聞けない
聞くのが怖い!



「碧斗、お前マジで美桜と付き合ってんの?」


私の後ろから高橋が冷やかすように言った


碧斗がこちらをチラリと見た


碧斗、違うよね


「そうだけど」


ああ…



身体の力が抜けてその場に崩れ落ちそうになる



私は近くの机にとっさにつかまった


嘘!嘘!嘘!
何で?

今までチョコたくさんもらっても誰とも付き合わなかったじゃん!


何で?

何で?


ああ…そっか

碧斗は美桜ちゃんの事好きだったのか


私は涙が落ちそうになるのを必死にこらえて自分の席に戻った




その日の授業は、まったく耳に入って来なかった

< 9 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop