夢を叶えた日、一番にきみを想う
4月になり、高校2年生になった。
といっても、特に大きな変化は無い。
去年、クラスで1番仲の良かった翔とはまた同じクラスだったし、昼休みは翔と翔の彼女の茉奈、佑真と祐樹、そして俺の彼女の実優の6人で過ごしていた。
昼休み、いつも通りお弁当を食べながらたわいもない話で盛り上がっている横で、俺は英単語が書かれた一枚のプリントを必死に見つめていた。
「尚樹、何してんの」
隣にいた佑真が俺の手元を覗き込む。
「お前、勉強してんの!?」
学生だから勉強をすることは当たり前のことだ。
だけど、この学校で、ましてや休み時間にその“当たり前”をする人はほとんどいない。きっとこの学年約200人の中でも、俺を含めて5人程だろう。
「まあな」
「どうした? お前、頭大丈夫か?」
失礼な奴だな、と思いつつ、「明日、英単語のテストなんだよ」と答える。
「明日? 明日は火曜日だから英語の授業無いよね?」
同じクラスの茉奈が、翔の隣で首を傾げた。
「いや、塾で」
「沙帆ちゃんの授業か」
佑真は納得したように言った。
「誰? 沙帆ちゃんって」
目の前に座っている実優がお弁当を食べる手を止めて、鋭い目つきで俺を見る。
あー、もう。めんどくせえ。こうなることがわかっていたから、彼女の存在は実優に話していなかったのに。
心の中でため息をつきつつ、「塾の先生だよ」と答える。
「なんだ、先生か」
「いや、ただの先生じゃないよな」
祐樹は身を乗り出すと、「可愛いんだよな、沙帆ちゃん先生って」と付け加えた。
といっても、特に大きな変化は無い。
去年、クラスで1番仲の良かった翔とはまた同じクラスだったし、昼休みは翔と翔の彼女の茉奈、佑真と祐樹、そして俺の彼女の実優の6人で過ごしていた。
昼休み、いつも通りお弁当を食べながらたわいもない話で盛り上がっている横で、俺は英単語が書かれた一枚のプリントを必死に見つめていた。
「尚樹、何してんの」
隣にいた佑真が俺の手元を覗き込む。
「お前、勉強してんの!?」
学生だから勉強をすることは当たり前のことだ。
だけど、この学校で、ましてや休み時間にその“当たり前”をする人はほとんどいない。きっとこの学年約200人の中でも、俺を含めて5人程だろう。
「まあな」
「どうした? お前、頭大丈夫か?」
失礼な奴だな、と思いつつ、「明日、英単語のテストなんだよ」と答える。
「明日? 明日は火曜日だから英語の授業無いよね?」
同じクラスの茉奈が、翔の隣で首を傾げた。
「いや、塾で」
「沙帆ちゃんの授業か」
佑真は納得したように言った。
「誰? 沙帆ちゃんって」
目の前に座っている実優がお弁当を食べる手を止めて、鋭い目つきで俺を見る。
あー、もう。めんどくせえ。こうなることがわかっていたから、彼女の存在は実優に話していなかったのに。
心の中でため息をつきつつ、「塾の先生だよ」と答える。
「なんだ、先生か」
「いや、ただの先生じゃないよな」
祐樹は身を乗り出すと、「可愛いんだよな、沙帆ちゃん先生って」と付け加えた。