夢を叶えた日、一番にきみを想う
「沙帆ちゃん」
俺より先に、席についている沙帆ちゃんの姿を見つけ、呼びかける。
沙帆ちゃんは顔をあげて俺を見ると、「お疲れ様」と微笑んだ。
「さっき、塾長から聞いた。今週から、数学も沙帆ちゃんが担当してくれるようになったって」
「そうだよ~、びっくりしちゃったよ、もう」
沙帆ちゃんはケラケラ笑う。
「期間限定で、先生の数が足りない時だけのはずだったんだけどね。これじゃ、もうすっかりレギュラー講師だよ」
「……ごめん」
「ううん。塾長から聞いた。尚樹が担当を希望してくれたんだ、って。ありがとうね、希望してくれて」
どうして。
どうして、俺のわがままに、“ありがとう”と言ってくれるんだろう。
どうして、あなたはいつも嬉しすぎる言葉を、俺にくれるんだろう。
俺より先に、席についている沙帆ちゃんの姿を見つけ、呼びかける。
沙帆ちゃんは顔をあげて俺を見ると、「お疲れ様」と微笑んだ。
「さっき、塾長から聞いた。今週から、数学も沙帆ちゃんが担当してくれるようになったって」
「そうだよ~、びっくりしちゃったよ、もう」
沙帆ちゃんはケラケラ笑う。
「期間限定で、先生の数が足りない時だけのはずだったんだけどね。これじゃ、もうすっかりレギュラー講師だよ」
「……ごめん」
「ううん。塾長から聞いた。尚樹が担当を希望してくれたんだ、って。ありがとうね、希望してくれて」
どうして。
どうして、俺のわがままに、“ありがとう”と言ってくれるんだろう。
どうして、あなたはいつも嬉しすぎる言葉を、俺にくれるんだろう。