夢を叶えた日、一番にきみを想う
「俺も、担当を沙帆ちゃんに変えてもらおうかなあ」
「は? なんで?」

予想外の言葉に、勢いよく振り返る。
祐樹は読んでいた漫画を床に置くと、起き上がった。

「だって、授業中も尚樹たちの笑い声、よく聞こえて来てすげー楽しそうだもん。それに尚樹、成績伸びてるし、最近すっかり勉強ばっかりしているし」

ほら、今も、と指を差す。

「俺も沙帆ちゃんが担当なら、ちょっとは楽しく勉強できるかなって思ってさ」
「……祐樹の担当は古田だろ」
「別に希望して古田になったわけじゃないし」
「でも」
「明日にでもお願いしてみよっかな」
「……ずっと古田と一緒にやってきたのに、今更変わってもいいのかよ」
「うん、だって沙帆ちゃんの授業、受けてみたいし」

祐樹も沙帆ちゃんの生徒になる?

それってー…なんというか。

祐樹の希望を拒否する権利も何もないけれど、それでも、どうしてだろう、想像するだけで、なんだかー…。
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