夢を叶えた日、一番にきみを想う
目を覚ますと、明るかった空がオレンジ色になっていた。
枕元に置いたスマホで時間を確認すると、“17:01”と表示されている。
確か家に帰ってきたのは13時前。
あまりの眠たさに何も食べずに寝たからか、次は空腹で倒れそうだ。
全身の力を振り絞って起き上がると、のそのそとキッチンへ向かう。
「何か食うものあるかな……」
共働きの両親はもちろんのこと、祐樹も他の兄弟も誰もいない。
静かなリビングでカップ麺を食べていると、スマホが光り、メッセージを受信したことを知らせた。
【起きたか? まだカラオケにいるから、起きたら来いよ】
翔からメッセージと共に送られてきた動画には、佑真が熱唱する様子が映し出されていた。
「……行くか」
空になったカップ麺の容器を捨て、リュックを取りに部屋へ戻る。
学校のリュックから財布を取り出したとき、机の上に広げた教科書が視界に入った。
「これ……」
ヴェルサイユ宮殿。
試験中、気分転換がてらに何度も読み直した。
将来、この宮殿に似た家を建ててあげることが出来れば喜んでくれるんじゃないか、と思って。
数秒間教科書を眺めた後、俺は財布をリュックの中に戻し、リュックごと持って家を出た。
枕元に置いたスマホで時間を確認すると、“17:01”と表示されている。
確か家に帰ってきたのは13時前。
あまりの眠たさに何も食べずに寝たからか、次は空腹で倒れそうだ。
全身の力を振り絞って起き上がると、のそのそとキッチンへ向かう。
「何か食うものあるかな……」
共働きの両親はもちろんのこと、祐樹も他の兄弟も誰もいない。
静かなリビングでカップ麺を食べていると、スマホが光り、メッセージを受信したことを知らせた。
【起きたか? まだカラオケにいるから、起きたら来いよ】
翔からメッセージと共に送られてきた動画には、佑真が熱唱する様子が映し出されていた。
「……行くか」
空になったカップ麺の容器を捨て、リュックを取りに部屋へ戻る。
学校のリュックから財布を取り出したとき、机の上に広げた教科書が視界に入った。
「これ……」
ヴェルサイユ宮殿。
試験中、気分転換がてらに何度も読み直した。
将来、この宮殿に似た家を建ててあげることが出来れば喜んでくれるんじゃないか、と思って。
数秒間教科書を眺めた後、俺は財布をリュックの中に戻し、リュックごと持って家を出た。