夢を叶えた日、一番にきみを想う
「尚樹!?」

沙帆ちゃんが駅に現れたのは、最後の授業が終わってから40分程経ってからだった。

「どうしたの、こんな遅い時間に!」
「……誕生日だって、聞いたから」
「私が?」
「うん」

当たり前だ。ほかに誰がいるんだ。

「はい、これ」

この場に及んで、急に恥ずかしくなってくる。
そもそも、柄じゃない。
2年付き合っている実優にだって、改まってプレゼントを渡したことはないのに。
ましてや、こんなベタな。

「お花……!!」

水色のラッピングで囲まれた11本のひまわりの花束を、「かわいい!」と沙帆ちゃんが両手で受け取る。
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