夢を叶えた日、一番にきみを想う

「あ、尚樹」

先生と一緒に面談室を出ると、既に授業を終えて、入り口で座っていた祐樹がゾッとした様子で俺を見た。

「お前、ついに個別面談かよ……」
「ちげーよ」

いや、まあほぼ面談だったけど。
祐樹が想像しているようなものとは違うし、とりあえず否定しておく。

「彼が、さっき話してくれた双子の弟？」
「そうです」
「そっくりだね～！」

先生は俺の後ろから、祐樹に「こんにちは」と挨拶する。

「あ、えっと、どうも」

祐樹は、まさか話しかけられると思っていなかったのか、それとも見たことの無い先生で驚いたのか、それとも両方だったのかー…ただたどしく挨拶を返した。

「２人で帰るの？　気を付けて帰ってね」

先生は俺たちがエレベーターに乗り込むところまで見送ってくれると、「尚樹くん、またね」と手を振る。

ペコリと頭を下げると、ちょうどエレベーターが閉まった。