たぶんあなたの子です? 認知して下さい!
✴︎


布団にそっと押し倒されて、


✴︎


「だめです⋯⋯  」

「なぜ? だって君は、こんな事は初めてだ。
そうだろ? 答えてくれよ、そうなんだろう? 」


覆いかぶさって、耳元で聞く。


「おかしくなりそうなんだ」

「初めてなの」


涙が彼女の目から溢れ頬を伝う。
それを親指でそっと拭いてやった。


「そうなんだよ、だから、オレのものだ」


と熱く唇がおりてきて、頭からたどって、おでこにも、瞼にも、頬にも、唇にも⋯⋯ 。

本当は、私は、何もしてなくて、何もなくて、ただの一人の私だから、本当は何も考えずに秀斗さんを好きでいいんだ。
この人に何もかもをささげても、何の問題もないんだ、
好きな人に気持ちをささげるだけ。

そう思ったら、彼にしがみついていた。

固い体に。
初めて触れる男の人の、その体に。
頼り甲斐のある愛しい身体。
守って欲しくて、自分も全てを賭けて、この人を守りたいと思う。

彼の肩に唇を寄せて、自分の涙と混ざって、彼にすくいあげられた顎に、全て従えば、熱く彼の唇が唇にかぶさって、与えられて全てを与える。

キスなんて、いくらしても足りない。
好きだから。
全部欲しいから。

体も心も全部欲しい。


「オレ以外に、こんな事するなよ」


と痛いぐらい抱かれてささやかれて、「あなたしかいない、」って答えた。

< 17 / 25 >

この作品をシェア

pagetop