*夜桜の約束* ―春―
「いい所に来た、みんな! 手伝ってくれ!!」
路肩へ駐車した車両よりゾロゾロと出てきた内の肉体派から、順に足場を組んでもらう。
やがて結構な高さの人間ピラミッドが出来上がった。が、凪徒よりも体重が軽く動きの敏捷な暮が、それを登って内部を偵察することになった。
「うーん……誰も見当たらないな~このまま飛び降りて、屋敷の中を探ってみるよ」
と、早速頂上から振り向いた暮が眼下の凪徒に叫んだ途端、
「あ、お客様でございますね? お待ちしておりました! いらっしゃいませ~!!」
「え?」
暮のちょうど真下から、若い女性の叫ぶ声が高らかに上がってきたのだ。
確かに見下ろしてみれば、自分の影に当たるずっと遠くにメイドの格好をした女性が見上げている。
「お客って……あの、すみません! ここに早野 桃瀬はいるんですかっ?」
「お客様はサーカスのお友達でございましょうか~?」
質問の答えの前に質問が返ってきてしまう。
──それもサーカスの『お友達』って……。
路肩へ駐車した車両よりゾロゾロと出てきた内の肉体派から、順に足場を組んでもらう。
やがて結構な高さの人間ピラミッドが出来上がった。が、凪徒よりも体重が軽く動きの敏捷な暮が、それを登って内部を偵察することになった。
「うーん……誰も見当たらないな~このまま飛び降りて、屋敷の中を探ってみるよ」
と、早速頂上から振り向いた暮が眼下の凪徒に叫んだ途端、
「あ、お客様でございますね? お待ちしておりました! いらっしゃいませ~!!」
「え?」
暮のちょうど真下から、若い女性の叫ぶ声が高らかに上がってきたのだ。
確かに見下ろしてみれば、自分の影に当たるずっと遠くにメイドの格好をした女性が見上げている。
「お客って……あの、すみません! ここに早野 桃瀬はいるんですかっ?」
「お客様はサーカスのお友達でございましょうか~?」
質問の答えの前に質問が返ってきてしまう。
──それもサーカスの『お友達』って……。