*夜桜の約束* ―春―
「さて……そろそろ皆を集めて、今夜の捜索は打ち切りにする」
「いやっ、しかし!」
暮と同様特に心配の色を見せない団長に、凪徒は喰って掛かろうとした。
「まぁまぁ。内緒にしていたのは悪かったが、『コレ』は想定内の展開での」
「……え?」
簡易キッチンに置かれた湯沸しポットから急須に湯を汲み、テーブルに置かれた湯呑みの幾つかに茶を注ぐ。
驚き刮目する凪徒に一つを差し出して、勧める仕草をしながら自らもズズズとすすり飲んだ。
「凪徒……なんか複雑な話だから、ちょっとお茶飲んで落ち着いておけ」
暮がその湯呑みを取り凪徒の前に突き出したので、事の状況を呑み込めぬまま、彼も仕方なくそれに従った。
どうやら暮は既に説明を受けたらしい。
そう凪徒は気付いたが、それによってこの無表情が現れたなら、余り良い報告ではないような気がして余計に胸がざわついた。
ややあって団長はおもむろに携帯を取り出し、おそらくはマネージャーに電話を掛けたようだった。
全員に解散することを告げるために。そして──
「いやっ、しかし!」
暮と同様特に心配の色を見せない団長に、凪徒は喰って掛かろうとした。
「まぁまぁ。内緒にしていたのは悪かったが、『コレ』は想定内の展開での」
「……え?」
簡易キッチンに置かれた湯沸しポットから急須に湯を汲み、テーブルに置かれた湯呑みの幾つかに茶を注ぐ。
驚き刮目する凪徒に一つを差し出して、勧める仕草をしながら自らもズズズとすすり飲んだ。
「凪徒……なんか複雑な話だから、ちょっとお茶飲んで落ち着いておけ」
暮がその湯呑みを取り凪徒の前に突き出したので、事の状況を呑み込めぬまま、彼も仕方なくそれに従った。
どうやら暮は既に説明を受けたらしい。
そう凪徒は気付いたが、それによってこの無表情が現れたなら、余り良い報告ではないような気がして余計に胸がざわついた。
ややあって団長はおもむろに携帯を取り出し、おそらくはマネージャーに電話を掛けたようだった。
全員に解散することを告げるために。そして──