*夜桜の約束* ―春―
[9]努力と才能
「スパイって……あのスパイ? あの、映画みたいな!? あのモモがっ!!」
さすがに信じられることではなくて、凪徒はいつの間にか腹を抱えて笑っていた。
「ほら見たことか」と呆れ顔の暮の表情が向けられ、団長は「そうは言ってものぉ……」とぼやいて後頭部を掻いた。
「笑うな、凪徒。これは冗談じゃなく本当に最上級機密だ。お前もモモの身体能力には一目置いているだろう。あいつがここへ来た時のことを思い出せ」
「え……? あぁ──」
涙ぐむほどの笑いを堪え、何とか落ち着きを取り戻した凪徒は、団長の言葉に二年と数ヶ月前の記憶へ思いを馳せた──。
☆ ☆ ☆
さすがに信じられることではなくて、凪徒はいつの間にか腹を抱えて笑っていた。
「ほら見たことか」と呆れ顔の暮の表情が向けられ、団長は「そうは言ってものぉ……」とぼやいて後頭部を掻いた。
「笑うな、凪徒。これは冗談じゃなく本当に最上級機密だ。お前もモモの身体能力には一目置いているだろう。あいつがここへ来た時のことを思い出せ」
「え……? あぁ──」
涙ぐむほどの笑いを堪え、何とか落ち着きを取り戻した凪徒は、団長の言葉に二年と数ヶ月前の記憶へ思いを馳せた──。
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