*夜桜の約束* ―春―

[19]凪徒とモモ 〈K♪〉

★宜しかったら前話文末数行をお読みになってから、こちらをお読みください(^人^)






「ふぁっくしょん!!」

「凪徒さん……風邪ですか?」

 午後後半のショーを終えた音響照明スペースに、小気味良くキーボードを叩く音と、必要以上に大きなクシャミが響いていた。

「誰かが噂してるんだろ」

「モモじゃないですかぁ?」

「うるせっ」

 鼻を(こす)ってあぐらに頬杖を突く。

 案の定、手伝ったことのバレた子供達は親達から説教を受け、秀成もその順番待ちだった。

 お陰で二・三度目のショーの間、自身での仕事を()いられた秀成は、凪徒からのお願いをこなせず仕舞い。

 そのため説教開始までの貴重な時間、こうして凪徒監視の元、Nシステムへの侵入を試みているという次第だが──

< 72 / 169 >

この作品をシェア

pagetop