*夜桜の約束* ―春―
ある程度の下ごしらえを終えた三人は、あの可憐な椅子に腰かけてお茶を楽しんだ。
けれど昇った太陽は雲間から時々顔を出す程度で、朝方静かな庭園を漂っていた靄もまだうっすらと気配を残していた。
「雨が降るかもしれませんわね……」
ティーカップを両手で包み込み、空を見上げる花純。
「ちょっと森にお出掛けになるような天候ではございませんね、お嬢様」
「え? 森?」
桔梗にそう諭され疑問を投げるが、途端昨夜の会話が思い出された。
──あの話、確かに否定すら出来ないほど驚いてしまったけれど、まだ続いていたんだ──あのエアガンでのサバイバルゲーム……!
「それともああいう遊びは雨の中でもされるものなのでしょうか?」
「さ、さぁ……?」
更なる質問に言葉を濁して顔を引きつらせるが、あれは自分の物ではないと今更言い出せる雰囲気ではなく、ただひたすら笑って済ませるモモであった。
しばらくそうして他愛もない話に盛り上がり、再び調理を始めた頃には高岡も戻ったので少し早目の昼食となった。
けれど娘(?)の手料理とあって昨夜以上の感涙が彼を襲い、やはりお預けを食らう食事となった。
けれど昇った太陽は雲間から時々顔を出す程度で、朝方静かな庭園を漂っていた靄もまだうっすらと気配を残していた。
「雨が降るかもしれませんわね……」
ティーカップを両手で包み込み、空を見上げる花純。
「ちょっと森にお出掛けになるような天候ではございませんね、お嬢様」
「え? 森?」
桔梗にそう諭され疑問を投げるが、途端昨夜の会話が思い出された。
──あの話、確かに否定すら出来ないほど驚いてしまったけれど、まだ続いていたんだ──あのエアガンでのサバイバルゲーム……!
「それともああいう遊びは雨の中でもされるものなのでしょうか?」
「さ、さぁ……?」
更なる質問に言葉を濁して顔を引きつらせるが、あれは自分の物ではないと今更言い出せる雰囲気ではなく、ただひたすら笑って済ませるモモであった。
しばらくそうして他愛もない話に盛り上がり、再び調理を始めた頃には高岡も戻ったので少し早目の昼食となった。
けれど娘(?)の手料理とあって昨夜以上の感涙が彼を襲い、やはりお預けを食らう食事となった。