Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
本音を言うと抱き締めて欲しい
お姉ちゃんと会った日以来、私は勉強により一層力を注いでいる。
奈都の家庭教師も辞めて、母の言われたとおり新しい塾にも通っている。
成績トップでいなくては、母に見放されてしまう。
私がお姉ちゃんの代わりになるって自分で決めたんだ。
投げ出すことは許されない。
それにお姉ちゃんの自由を邪魔してはいけない。
お姉ちゃんの人生にもうお母さんは要らない。
呪われているかのように、私は血豆が出来るほどペンを動かした。
母の支配に飲み込まれれば飲み込まれるほど、私には自由が無くなった。
どうしようも無い不安と恐怖で夜中に目が覚める。
ご飯は倒れないための最低限の食事で、いつしか味がしなくなった。
自分でも分かる。
もう身体が限界だということに。
眠りたい、でも眠れない。
食べたい、でも食べられない。
お姉ちゃん、助けて…