Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
そんな伝説を残したAgainが二年ぶりに姿を現したことから、この学校だけではなく、今まさに東京の全都民がざわついているそうだ。


「……そんなに有名なの?」

「有名どころの話じゃないよ! 少なくとも、東京の不良は全員といっていいほどAgainに憧れてたと思うよ!」


私はその話を聞いて、お姉ちゃんの顔を思い浮かべてすぐに消した。


「それにAgainのメンバーって、昔っからめちゃくちゃイケメン揃いって噂があるの!」

「ただの噂じゃん!」


菜穂は、強めに噂を否定する。

こんなにも騒いでいるからなんだろうと思ったら、暴走族の話題で盛り上がってたなんて……。

自分たちから聞いておいてなんだけど、拍子抜けだな……。


「なるほど、ありがとね!」


そのクラスメイトは興奮が収まらないのか、また別のクラスメイトたちと暴走族の話をしていた。


「……暴走族って昔っから怖いけど、イケメンだったら会いたいとかなるのかな~」

「……さぁ、私にはよく分からない」


分からないじゃない、分かりたくないんだ。
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