Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「綺月って、もしてかして嫌い？」

「えっ？」

「暴走族とか不良とか」


菜穂に図星を突かれ声が上ずる。

もしかして、嫌いなのが顔に出てた？


「…自分には関わりないから、よく分かんないだけだよ」


私は菜穂の質問に曖昧な答えで返した。

菜穂もそれ以上は聞かなかった。


昔っから私は人と関わることを好む方ではなかった。

必要以上に人と関わり、厄介事を押し付けられながらも、それを引き受けてた優しいお姉ちゃんを見て、当時は＂なんて生きづらいんだろう＂そう思って見てしまうほど私は歪んでいた。

お姉ちゃんみたいに誰とでもすぐに打ち解けてしまうほどの人間だったら、暴走族やら不良やらの類の人種と関わることも少なからずあったのかもしれない。

でも、私はこれからもそんな事は無い。

私はお姉ちゃんみたいにはならない。絶対に。