Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
私は街灯も少ない真っ暗な公園の中、一人でずっと考えていた。

その時、バイクの音が聞こえてきて、公園の前でそれは止まった。

それと同時に光が差し込んだ。

顔を上げると、バイクのライトが眩しくて自分に照らされているのだと気付く。

え…なに…?


「綺月!」


その時、菜穂の声が聞こえた。

気のせいかと耳を疑ったが、菜穂が私に向かって走ってきているのが見えて、気のせいではないのだと確信する。

菜穂は走ってくる勢いのまま私を抱き締めた。


「え?菜穂?なんで?」

「こんなところで何してるのよ!馬鹿!
凄い心配したじゃない!」


菜穂が強く強く私を抱き締める。

私は困惑しながらも菜穂の背中に手を回すと、バイクに乗っていた男も降りて私に近付いてくる。

見覚えのあるバイクに、もうその人が誰なのか顔を見なくても分かった。
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