Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「てめぇふざけてんのか」


鬼のような形相で睨みつけるカオルがいた。

菜穂は泣いているし、カオルは物凄い怒っていた。

私だけがこの状況を上手く呑み込めていなかった。


「菜穂どけ」

「ちょっとカオル何する気!」

「ムカついてんだよ、一発殴らせろ」

「ちょっとやめてよ!相手は女なんだよ!」

「女も男も俺には関係ねぇ、いいからどけ」


二人はもしかして知り合いなの?

下の名前で呼び合っている二人を見て私は更に困惑する。


「それよりユキ達に見つけたって連絡入れて」

「そんなのお前がやれ」

「いいから!」


カオルは舌打ちをすると渋々誰かに連絡を入れ始める。
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