Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
ずっと困惑している私は菜穂の顔を見ると、菜穂も困ったように笑った。


「電話の時綺月がおかしかったから、みんなに綺月を探して欲しいって連絡したの」

「連絡…?」

「私、Againの暴走族のことよく知ってるの」


…え?菜穂が?


「メンバーとまではいかないけど、カオル達とよく一緒にいるの。
ごめんね、ずっと黙ってて」


菜穂がずっと伝えるべきか迷っていたのが、その申し訳なさそうな顔ですぐに分かった。

多分私が不良を嫌いだと気付いていたから言い出せなかったのだろう。

変に気を遣わせてしまったことに、私も申し訳なさを感じた。


「今から幸人が来る、菜穂は幸人の後ろに乗っけてもらえ」

「うん」

「綺月、お前は俺の後ろだ」


カオルは菜穂が被っていたヘルメットを渡してくる。
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