Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「ちょっと待って、今からどこか行くの?」

「美月のとこ」

「は?なんでそうなんのよ!」


私はカオルにヘルメットを返すが、カオルは受け取るどころか、殺気を放ちながらまた睨みつける。


「今、Againのメンバー全員がお前のことを探してる」

「え?なんで?」

「美月の妹だからだろ!」


カオルの怒鳴り声に驚いて思わず肩が跳ねる。


「Againにとって美月は大事な存在だ。
その美月が大事だって言うもんは俺達も大事なんだよ」

「…でも私はお姉ちゃんとは縁を切ってるし」

「あーごちゃごちゃうるせぇな!
とにかくお前は今Againに迷惑かけてんだよ!
とりあえず迷惑かけてごめんなさいってみんなの前で謝れ!」

「はぁ!?別に頼んでないし!」


カオルは黙らない私に、ついに手が出て乱暴に胸ぐらを掴まれる。
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