Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜


「ちょっとそこで待ってろ」


カオルは奥の扉を二回ノックしてから開けた。

そして、カオルは暫く誰かと話した後、私をその部屋に手招きする。


「やっぱり、行かない」

「…おい」

「お姉ちゃんには会わない」


会ってしまった後自分がどうなってしまうのか、先のことが手に取るように分かった。

だから私はその部屋には入らない。

私はカオルに背を向けると、元来た道を引き返す。
< 148 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop