Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
その後、お姉ちゃんに無理矢理起こされた不良達も続々と顔を出す。


「あー!綺月ちゃんだ!」


前髪をちょんまげヘアーで結んでいる不良が、まだ開けきっていない目のまま私を指さした。


「初めてしっかり顔見るけど、可愛いね」

「どうも」


彼は、他の不良と比べるとよく笑っていて不良っぽくは無かった。


「藍沢雪希(あいざわ せつき)、カオルと仲良いから仲良くしてあげて」

「みんなからはせっきって呼ばれてるから、綺月ちゃんもせっきって呼んで!」


ずっと私を指さしている手を、お姉ちゃんは無理矢理下ろさせる。


「それでこの朝が物凄く弱い彼が、赤羽海斗(あかばね かいと)。
海斗もカオルと仲良いから」

「俺、お前嫌い」


海斗が単刀直入に言うと、光の速さでお姉ちゃんが頭を叩く。


「気分屋なの、良い奴ではあるから怖がんないでね」


海斗はお姉ちゃんを見る目と、私を見る目の輝き方が明らかに違っていた。

カオルと仲良い人ってキャラが濃い気がした。
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