Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「俺は、川芝 一喜(かわしば いつき)。
前に少し話したけど覚えてる？」


確か初めてここに来た時、嫌な顔を浮かべながらカオルが誰かと話をしていたような気がする。


「なんとなく」

「なんとなくかーショックだな、俺女の子に一目惚れしましたってよく言われるんだけど」

「これでも一応Againの副総長で、怒らせたら聡並に怖いから気を付けて」

「ちょい美月、余計なこと言うなよ」

「余計じゃないわよ、あと私の妹に変なこと言わないでよ」

「変なことって何だよ。
この際言うけどお前を敬愛してる海斗の方が変だからな」

「まじ一喜さんにだけは言われたくないです」

「お前、黙ってそこは俺を立てろよ！」

「せっきドレッシング取って」

「これですね、はいどうぞ」

「ダメダメ、聡にドレッシングかけさせたらドレッシングまみれにするから」

「野菜って味しねぇんだよな」

「新鮮な味するでしょ」


こ、これは…カオルと奈都と食事をしている時よりもはるかに騒がしい。

私はみんなの会話を流しながら、料理を口に運んだ。