Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「カオルが、あんなに人に興味を持つのは珍しいんだよね」

「…え?」

「綺月だけには妙に執着している気がする」


カオルのそういうことは私にはまだ分からないから何も言えないけど、奈都へのシスコンっぷりを見ているから尚更執着されているとは感じなかった。

お姉ちゃんの気のせいだろうとその時私は軽く受け流した。


「綺月はコーヒー好き?」

「…あまり飲まない」

「じゃあ紅茶いれるから、話の続き聞かせて」


私は確かに頷いた。

今度はもう逃げたりしない。


「俺達席外そうか」


聡さんが気を利かせて部屋から出て行こうとしたが私がそれを引き止める。
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