Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「私は勉強が全てで、勉強以外何も無くて、何も持ってない私には存在価値なんて無くて…
私は生きていても、これから先も価値の無い人間が大きくなっていくだけだっ…」


奈都は私の言葉に何かを感じたのか涙を流す。

奈都の涙を見て、つられるように色んな感情が溢れ出る。

母は私を愛してはくれない。

これから先、自分の言うとおりにならない私を母はどういう目で見るのだろう。

こんな私に、これから先、生きていて良かったと思える日が来るのか。

死んだ方が良かったと思う日の方が圧倒的に多いのでは無いのか。

そう思うと、やはり無性に死にたくなるのだ。


「それならもう一層のこと死んだ方がいい…」


そんな事言ってはダメだと分かっている。

でも生きているのが怖くなった。

そんな私の手を奈都が強く握る。
< 183 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop