Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

その中でもカラフルな頭をした彼らは、もう既に馬鹿みたいに海ではしゃいでいて、悪目立ちしていた。


「綺月〜！」


菜穂は私と奈都に気付くと、手を振りながら駆け足で近寄る。

菜穂は既に水着に着替えていて、大胆に肌を露出していた。


「もうみんな泳いでるよ、水着持ってきた？」

「あ、私泳がないから」

「えぇ！？」


私は当然のように口にすると、菜穂はじゃあここまで何しに来たの！？と分かりやすく目を見開いて驚く。


「あ、でも奈都は持ってきてるから、更衣室まで連れて行ってあげて」

「え？本当に泳がないの？」

「うん、そもそも水着持ってないしね」

「そんなの言ってくれれば私の貸したのに！」

「いやいや、そんな大胆な水着私は着れないよ」


自分の身体に自信があるわけでもないし、丁重にお断りするだろう。

私はカバンから帽子を取り出すと、暑さ対策で深く被った。