Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「私は日陰で眺めてるから、奈都のことよろしく」

「それは全然いいけど」

「絶対変な不良と絡ませないでよ」

「もう!分かってるって!
行こう、奈都ちゃん!」


しつこく釘を刺すと、菜穂はカオル並の過保護っぷりだと軽く文句を言いながら奈都を連れて行ってしまった。

一人になった私は木で日陰になったベンチに座り、海をひたすら眺める。

海に近付くと潮の匂いが微かに鼻をかすめる。

太陽の光が海に反射し、キラキラと光る。

初めての海に、私は気付くと携帯を取り出し写真を一枚撮った。


「あーやっぱ暑いな」


一喜さんは眉間にシワを寄せ、既に暑さにうんざりしながら私に近寄る。
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