Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
別に潜らなければ何の問題もないのだが、なぜか気が乗らなかった。
今更水着を買いに行くのも面倒臭いし、海を見れただけで充分だった。
「ほら、泳いできたら?」
そろそろ海に入りたそうにウズウズしている菜穂を置いて、私はまた日陰になっているところに腰を下ろした。
「暇になったら呼んでよねー!」
そんなに距離も離れていないのに、大きい声で私にそう言い残すと走って海に入って行った。
一人になった私は、ボーッと海を眺めながら、眠気がどっと来るのを感じ、それに抗わず目を静かに閉じた。
海ではしゃぐ人達の声が少しずつ遠のいていく。
日陰にいることで程よい暖かさと、涼しい風が髪を揺らして心地良かった。
静かなあの家で眠れなくなっていたあの時とは違う。
全てが180度変わってしまった、しかも良い方向に。
それもこれも全部カオルのおかげだった。
今更水着を買いに行くのも面倒臭いし、海を見れただけで充分だった。
「ほら、泳いできたら?」
そろそろ海に入りたそうにウズウズしている菜穂を置いて、私はまた日陰になっているところに腰を下ろした。
「暇になったら呼んでよねー!」
そんなに距離も離れていないのに、大きい声で私にそう言い残すと走って海に入って行った。
一人になった私は、ボーッと海を眺めながら、眠気がどっと来るのを感じ、それに抗わず目を静かに閉じた。
海ではしゃぐ人達の声が少しずつ遠のいていく。
日陰にいることで程よい暖かさと、涼しい風が髪を揺らして心地良かった。
静かなあの家で眠れなくなっていたあの時とは違う。
全てが180度変わってしまった、しかも良い方向に。
それもこれも全部カオルのおかげだった。