Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
最初は絶対関わりたくない人種だと、分かりやすいくらいに避けていたけど、今は避けられると悲しくなる。

こういう感情も含めて恋というのなら、恋はかなり面倒臭い。

みんなこんなことして学生を楽しんでいたんだなと思うと、勉強ばかりしてきた自分がいかに取り残されていたのか今更気付く。

私はこれからのことを考えていきたい。

これからどんな道を歩いて、どんな選択をして、どんな大人になるのか。

カオルが言ってくれたように、私の人生を私だけのものにしたい。

もう誰からも、生き方を操作されたくはない。

私は、少しずつ自由へと歩き始めていた。

私がこの先、この気持ちをカオルに伝える選択を選ばなくても、カオルの家を出て自分の家に戻っても、Againの溜まり場に顔を出さなくなっても、彼らと会わない選択をしたとしても、私はきっとずっと考えると思う。

カオルが私にくれたものを、私はその何倍にしてカオルに返したいと、願うと思う。

カオルと会わなくなっても、私はこれから先もずっとカオルに恩を返したい気持ちは無くならない自信があった。

それくらいに私はカオルに感謝していた。
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