Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「ねぇねぇ」


気付くと、誰かが私の肩を揺らしていた。

いつの間にか寝ていたのか、ぼやける視界の中男二人が私の顔を覗き込むように見ていた。


「ここで寝るのは暑くない?」

「寝るなら近くにホテルあるからそこで寝たらいいよ」

「涼しいからよく寝れるよ、ほら立って立って」


私はまだ完全に目が覚めていなかったのか、言われるがままに立つ。

この人達、Againのメンバーかな?

私は掴まれた腕に抗う前に誰なのか考える。

Againのメンバーだったら、付いて行っても問題は無いだろうと、私は男二人の後ろ姿をボーッと見ながら歩き始める。

あっ、その前に菜穂に伝えといた方がいいかな。

私が足を止めると、彼らは少し焦ったように、腕を引っ張る強さが強引になる。

日陰から出て、日向へと足を踏み入れた瞬間、暑さが私の目を完全に覚ます。

私は咄嗟に腕を振り払い、彼らから距離をとる。


「…誰?」
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