Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「ちゃんと本音で今までのことも、この先のことも話したいと思う。だから…」
「綺月がそうしたいのなら私は止めない」
私の言葉を遮り、お姉ちゃんは口を開いた。
まるで私のその先の言葉を耳にしないようにわざと被せたみたいに。
「ごめんね、綺月」
「…え?」
「私はまだやっぱりあの人に会うのは怖い」
お姉ちゃんは、母のことを"あの人"と呼ぶ。
お母さんと口にすることすら嫌なくらい、お姉ちゃんははずっと苦しんできたんだろう。
それもそうだ。
私は約二年の間我慢してきたが、お姉ちゃんは産まれてきてから家を出ていくまでずっと我慢をしてきたのだから。
「今やりたいことも見つけて、それに向けて頑張ってるの。
あの人に会って、辛かった記憶を思い出してまた立ち止まりたくないの」
お姉ちゃんはやりたいことのために、自分の将来のために、今一生懸命学んで頑張ってる最中だ。
私はそれを素直に応援しているし、お姉ちゃんの意思を尊重したいと思っていた。
「分かった」
私は頷いた。
「綺月は、怖くないの?」
「いつまでも逃げてはいられないから。
私はここで弱かった自分に終止符を打つの」
そう言うと私は誇らしげに笑って言った。
「かっこつけてるな〜」
「これからはかっこいい女で生きるの」
「なにそれ」
まだ高校生のくせに生意気よとお姉ちゃんは小さい時みたいに乱暴に私の頭を撫でた。
「綺月がそうしたいのなら私は止めない」
私の言葉を遮り、お姉ちゃんは口を開いた。
まるで私のその先の言葉を耳にしないようにわざと被せたみたいに。
「ごめんね、綺月」
「…え?」
「私はまだやっぱりあの人に会うのは怖い」
お姉ちゃんは、母のことを"あの人"と呼ぶ。
お母さんと口にすることすら嫌なくらい、お姉ちゃんははずっと苦しんできたんだろう。
それもそうだ。
私は約二年の間我慢してきたが、お姉ちゃんは産まれてきてから家を出ていくまでずっと我慢をしてきたのだから。
「今やりたいことも見つけて、それに向けて頑張ってるの。
あの人に会って、辛かった記憶を思い出してまた立ち止まりたくないの」
お姉ちゃんはやりたいことのために、自分の将来のために、今一生懸命学んで頑張ってる最中だ。
私はそれを素直に応援しているし、お姉ちゃんの意思を尊重したいと思っていた。
「分かった」
私は頷いた。
「綺月は、怖くないの?」
「いつまでも逃げてはいられないから。
私はここで弱かった自分に終止符を打つの」
そう言うと私は誇らしげに笑って言った。
「かっこつけてるな〜」
「これからはかっこいい女で生きるの」
「なにそれ」
まだ高校生のくせに生意気よとお姉ちゃんは小さい時みたいに乱暴に私の頭を撫でた。