Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
両親の命日がくると、どうしようもない罪悪感で気持ちが追いつかなかった。
一人でいるのが怖くてどうでもいい女と寝て夜を過ごし、ふと訪れる死にたいという欲求に抗うように不良と喧嘩をした。
その度に、聡達が俺を連れ戻した。
迷惑をかけているのだと分かっている、それでもこの手を離せないのは失いたくないと思っているからだ。
そんな時、俺の前に綺月が現れた。
「あんたらみたいな普通な道から外れた奴らは、気付かないんだ。
誰かの大事なものを簡単に奪ってることに」
綺月は初対面の俺に早口で捲し立てるように啖呵をきった。
だけどそれは全て正しかった。
普通の道から外れた自分は、両親の命も奈都の大事なものを簡単に奪った。
この女には正直もう会いたくないと思った。
会ってしまえば、この女に惹かれてしまう自分がいるような気がした。
会いたくないと思えば思うほど、神様に悪戯でもされているかのように、また繋ぎ合わせてくる。
芯があって、堂々と立っていた綺月は、実は俺と同じで生きて良いと思える自分の存在価値を探していた。
だけど元を辿れば、全然違う。
綺月は家族のために自分を犠牲にしていたが、俺は自分のことしか見えてなくて両親を傷つけた。
一人でいるのが怖くてどうでもいい女と寝て夜を過ごし、ふと訪れる死にたいという欲求に抗うように不良と喧嘩をした。
その度に、聡達が俺を連れ戻した。
迷惑をかけているのだと分かっている、それでもこの手を離せないのは失いたくないと思っているからだ。
そんな時、俺の前に綺月が現れた。
「あんたらみたいな普通な道から外れた奴らは、気付かないんだ。
誰かの大事なものを簡単に奪ってることに」
綺月は初対面の俺に早口で捲し立てるように啖呵をきった。
だけどそれは全て正しかった。
普通の道から外れた自分は、両親の命も奈都の大事なものを簡単に奪った。
この女には正直もう会いたくないと思った。
会ってしまえば、この女に惹かれてしまう自分がいるような気がした。
会いたくないと思えば思うほど、神様に悪戯でもされているかのように、また繋ぎ合わせてくる。
芯があって、堂々と立っていた綺月は、実は俺と同じで生きて良いと思える自分の存在価値を探していた。
だけど元を辿れば、全然違う。
綺月は家族のために自分を犠牲にしていたが、俺は自分のことしか見えてなくて両親を傷つけた。