Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「カオルが要らないって言っても、私はカオルのそばにいる」


要らないなんて、言うわけない。


「カオルは私を助けてくれた。
だから、私に出来ることがあれば全部やる」


助けて欲しい。

この無くならない罪悪感から救い出して欲しい。


「綺月が欲しい」


口から零れるように出た言葉は、俺の本心だった。


「全部あげる」


即答して答えた綺月に驚いた。

驚くと同時にタカが外れた。


「え」


俺は綺月から身体を引き離すと、耳元に触れながら綺月の唇にキスをする。

雨に濡れて冷たくなった唇が、何度も交わすと徐々に熱を帯びてくる。


「ちょっと待っ…ん」


歯止めが効かなくて、更に快感を求めようと綺月の口に舌を入れようとした時、手を思いっきりつねられる。
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