Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
そして、菜穂を促して職員室へと連れていった。

職員室から出てきた菜穂は、疲れきった表情を浮かべていた。

ゲッソリした菜穂を見て、少し可哀想に思えた。


「菜穂、お腹減った?」

「たまらなく」

「じゃあ、なんか食べていく?」


そう提案した瞬間、菜穂はキラキラとした目を向けて元気よく頷いた。

菜穂は食べてる時が一番幸せそうな顔をする。


「でもいいの?すぐに家に帰らなくて」

「大丈夫。塾に行ってると思ってるから、まだ帰るには早すぎるし」

「そっか!それならよかった!」


私は菜穂と友達だけど、今まで放課後や休日に遊んだりしたことは片手で数えるぐらいしかない。

私の優先順位は、いつだって勉強が一番だからだ。


「じゃあ、そこのファミレスに行こう!」

「え?そんなにガッツリ食べるの?」

「もちろん!」


菜穂は私の手を取ると、ブンブン振り回しながら学校を出た。

学校の最寄り駅近くのファミレスに入り、席につく。
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