Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
【菜穂side】



その日の夜、カオルの「いつものとこに集合」という一言でいつものメンバーと遊具も少ない小さな公園で集まって話をしていた。


「え?今なんて言った?」


菜穂は手にしていたスマホを地面に落とした。

私は中学の頃からカオルとは付き合いがあった。

学校に馴染めず、家にも居づらかった時にカオルたちと出会った。

そのまま時間が経ち、気付いたら仲間みたいな深い関係になっていた。

もちろん暴走族と繋がっていることなんて綺月にも、クラスの誰にも言っていない。

こんなこと言ったら更に孤立してしまう。

前にAgainという名前がクラスメイトの口から出たとき、綺月の前で知らないふりをするのに必死だった。

綺月は不良を嫌っているから隠す必要があったから。

なのに、なんでこうなってるの?


「おいおい、スマホはデリケートなんだからちゃんと大切に扱わねぇと」


仲間の一人であるせっきこと藍沢雪希(あいざわせつき)が誤って落としたスマホを拾ってくれる。


「よかった、割れてなかった……ってそれは今どうでもよくて!」

「だーかーら!美月ちゃんの妹がうちの溜まり場に来たんだよ!」


私は今日の出来事をカオルたちから聞き、開いた口が塞がらない程驚いていた。
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