Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
でも綺月と一緒にいる時間が長くなればなるほど、綺月は不良を良く思ってはいないと感じるようになった。

だから、Againのメンバーと友達だということは絶対綺月に知られてはいけないと、完璧に隠し通してきた。

なのに、綺月が美月さんの妹だとは全く考えもしなかった。

このままじゃ、バレるのは時間の問題だ。


「……暴走族と仲良くしてる私の本性を知ったら絶対嫌いになる」


床に這いつくばる勢いで項垂れる私の背中を仲間の一人であるユキこと川島幸人（かわしまゆきと）がポンポンと優しく叩いて慰める。


「にしても……なんで綺月がAgainの溜まり場に？
誰が連れてきたのよ」

「俺」


カオルが面倒くさそうに手を挙げた。


「はあ！？どこで知り合ったのよ！」

「顔怖っ」

「早く答えなさい！今すぐ答えなさい！」


私は凄い形相でカオルに迫る。

言うまで肩を掴む手を離さないという私の勢いにカオルがため息を零す。


「ちゃんと話すから離せよ」

「分かった」


早く話せと目が先走る。

カオルは最初の出会いから今までの話を簡潔に話した。

私は目を何度も瞬きさせながらカオルの顔を見る。
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