Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「そういう子って気付かないんだよね、自分の限界に」


大事なものを守るためなら自分のことなんて後回しにする人は、これからも一生自分を一番には考えない。

自分の気付かないうちに少しずつ崩れていって、気付いた時にはあっという間に修復出来ないくらいに壊れる。


「美月さんの時みたいに救ってくれる人が現れればいいんだけどね」


ユキの言葉にカオルが強く拳を握った。


「そいつ本当に美月の妹なのかよ」


仲間の最後の一人、カイこと赤羽海斗(あかばねかいと)が一部始終話を聞いてもまだ信じられないという顔をしていた。


「美月さんがそう言ってるんだからそうに決まってるでしょ!」

「美月は俺達に初めて会った時そんな言い方はしなかった。それなのに美月の妹があれ?あの女?
冗談じゃねぇよ、全然似てねぇ」

「出た~美月ちゃん信者~」


せっきの小学生みたいな冷やかしにノールックでカイはせっきの頭を叩いた。
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