Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
だが、その行動もカイの一言で水の泡となる。


「あんな女、美月にとっても害だろ」


その瞬間、カオルがカイのバイクを思いっきり蹴り倒す。

ユキとせっきがもう終わったという絶望な顔で二人を見ている。


「てめぇ、なにしてんだよ!」

「美月美月きめぇんだよ、お前の目には美月しか映ってねぇのか?!あ?!」

「お前こそ妙にあの女に肩入れしてるみたいだけど、なに?ついに本命でも作ったわけ?
下半身ゆる男のヤリチンがよ!」

「てめぇこそ毎晩違う女の家に泊めてもらってるヒモのくせして、偉そうにバイク乗って息巻いてんじゃねぇよ!」


互いに殴りかかりそうな勢いで胸ぐらを掴んで離そうとはしない。

どっちかが手を出したら、そこから殴り合いが始まる。

その前にどうにか止めないと。

どんどんヒートアップする口論に、近所迷惑の心配も頭をよぎる。
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