お見合い仮面夫婦の初夜事情~エリート裁判官は新妻への一途な愛を貫きたい~
画面を確認した大知さんからスマホを受け取り、ひとまず鞄にしまおうとしたら、その前に彼の腕の中に閉じ込められる。
「大知さん?」
「俺にとっては誰よりも千紗が大切で、かけがえのない自慢の奧さんなんだ。妻が千紗じゃなかったら、とか考えたこともない」
耳もとで言い聞かせるように真剣な声色で告げられる。彼の言葉が、私の心にずっと刺さったままだったとげをゆるやかに溶かしていく。
「万希やほかの誰かと比べる必要はないし、無理に変わろうとしなくてもいい。俺は千紗だから好きになったんだ」
目の奥がじんわりと熱い。ごまかすように彼の胸に顔をうずめて身を寄せた。
大知さんは優しく私の頭をなで、私が落ち着くのを静かに待っていてくれた。
リビングに移動し荷物を置くと、改めて大知さんに呼ばれソファに座る彼の右隣に腰を下ろした。
自分の言い分は一方的に伝えたものの、肝心の大知さんの話をまだ聞いていない。
「……大知さんは、その、私を、いつから好きだったんですか?」
ぎゅっと握りこぶしをつくり、大きく音を立てる心臓を意識しないようにしておずおずと口を開いた。正直、まだ彼の気持ちが信じられない。
大知さんはしばし考えるそぶりを見せる。
「いつ……か。たしかに最初は、お世話になっている先生の娘さんって印象だった」
それは間違いないだろう。むしろ結婚しても彼にとってはそんな存在だと思っていたほどだ。
「大知さん?」
「俺にとっては誰よりも千紗が大切で、かけがえのない自慢の奧さんなんだ。妻が千紗じゃなかったら、とか考えたこともない」
耳もとで言い聞かせるように真剣な声色で告げられる。彼の言葉が、私の心にずっと刺さったままだったとげをゆるやかに溶かしていく。
「万希やほかの誰かと比べる必要はないし、無理に変わろうとしなくてもいい。俺は千紗だから好きになったんだ」
目の奥がじんわりと熱い。ごまかすように彼の胸に顔をうずめて身を寄せた。
大知さんは優しく私の頭をなで、私が落ち着くのを静かに待っていてくれた。
リビングに移動し荷物を置くと、改めて大知さんに呼ばれソファに座る彼の右隣に腰を下ろした。
自分の言い分は一方的に伝えたものの、肝心の大知さんの話をまだ聞いていない。
「……大知さんは、その、私を、いつから好きだったんですか?」
ぎゅっと握りこぶしをつくり、大きく音を立てる心臓を意識しないようにしておずおずと口を開いた。正直、まだ彼の気持ちが信じられない。
大知さんはしばし考えるそぶりを見せる。
「いつ……か。たしかに最初は、お世話になっている先生の娘さんって印象だった」
それは間違いないだろう。むしろ結婚しても彼にとってはそんな存在だと思っていたほどだ。